アーカイブス なぜ韓国に福音は浸透したのか?(日本に適用できる要素はこれだ!)2

  • 2020.05.27 Wednesday
  • 23:38

なぜ韓国に福音は浸透したのか?(日本に適用できる要素はこれだ!)2

 

前回に引き続き、今回も韓国に福音が浸透したわけを検証し、日本に適用できるものをあげていきます。

後半は[下]の要点をまとめてみました。

[中]もあるのですが、主に歴史的要因について述べてあり、ここまで触れると細々としてきますので、日本に適用できる共通要素にしぼり、[下]だけにしぼりました。

ご覧になりたい方は、(『論文  韓国における初期キリスト教受容の要因[中](2/3)  常石 希望』 ttp://taweb.aichi-u.ac.jp/tgoken/bulletin/pdfs/NO17/Tsuneishi.pdf)にアクセス、ダウンロードしてください。

[上]に出てきた聞きなれない「ネヴィアス方式」が韓国で成功を収めた一つの要因についてまず説明します。

 

論文

韓国における初期キリスト教受容の要因[下](3/3 完) 常石 希望

ttp://leo.aichi-u.ac.jp/~goken/bulletin/pdfs/NO19/04TsuneishiN.pdf

 

ネヴィアス方式とは?

 

p-65 当時中国で活動していた宣教師Nevius(ネヴィアス)の名による。

何がネヴィアス方式なのか?」という点におよぶと、日本人はもとより韓国人研究者の間にさえ深刻な「差異」が存在する。

「ネヴィアス方式」とは,米長老派系宣教師たちが中心となって1890年以降の韓国キリスト教宣教に関わる基本方針を決めた宣教基本方針の総称。

 

p-66

一般に「ネヴィアス方式」と言えば,次の「4点要約」として理解されてきた。

すなわち

「1, 聖書中心主義」

「2,(韓国人信徒による)自主伝道:Self-Propagation」

「3,(教会の)自立運営:Self-Government」

「4, (教会の)自給運営:Self-Support」

 

の4点に、5点目の

「5、1893,1月,韓国長老教宣教部公会議採択の10条」の資料は,上の「4点要約」とは内容面で大きく異なっており,そこでは何よりも「民衆」という概念が全文を包み込み,10条全文の中心に立っているという点である。

 

コメント:後ほど出てきますが、日本が旧士族のインテリ階級や、豪商、名主といった豪農など社会の上流階級にしか福音が浸透しなかったことに対し、韓国は人口が圧倒的に多い庶民を焦点に当てていたことが後々大きな差を生んだものと思われます。

 

p-67  ネヴィアス方式の第一の効果は「この国にいる宣教師がひとり残らず,ほとんど一致してこの方式を用いた」点,すなわちネヴィアス方式の内容いかんよりも,その名の下にすべての宣教師が様々なトラブルを回避し,宣教地域を分割したりして一致協力する関係に立つことができたという点にあった。

 

また第二に「伝道・教会建設・教会の経済的政治的運営」を当初から韓国人自身に任せ,宣教師や宣教本部が安易に金銭や人員の補助をしなかった点である。「伝道,教会運営自体は韓国人指導者にまかせる」、宣教師はキリスト教学校教育を通して,将来のキリスト者青年指導層やキリスト者の母親を育てることを,自分たちの領域の重要な仕事とした。

 

コメント:韓国が統一した方式を用いたために、宣教団体間のトラブルを回避し、さらに宣教地域を割り当てて一致協力したために、無駄なエネルギー消費せず、宣教に専念できたはずです。

それに対し日本も様々な宣教団体が来たことは韓国と同じですが、それぞれの団体が教団独自の教理は方法を用いたうえに、教派主義で一致がありませんでした。

 

現在もセンセーショナルなミニストリーが海外、(沖縄の場合は県外も含め)から来る度に祭りのフィナーレの打ち上げ花火を眺めるように、しばしの日常から離れた高揚感を味わう名ばかりのリバイバル集会が何十回と繰り返されてきました(それで日本のクリスチャン人口が飛躍したという客観的な証拠は出ていません)。

 

さらに人物崇拝とでも言うか、器を追っかけする一部の信者もいるとのことを耳にしています。メールや*SNSで自由に連絡を取り合えますので、神学的・教理的に見て眉をひそめるような集会へ指導者のあずかり知れぬ間に信徒同士で参加し、それが他の信徒に広がっていってキリストの体によからぬ影響を与えたこともありました。

 

*SNS:LINE(ライン)やツイッター、フェイスブックなどソーシャル・ネットワーク・サービスの略。

 

p-67-68

信徒」が自ら教会を建設し,教会を運営し,伝道の主体となり,他の信徒を全面的に指導するのであれば,それは今日のキリスト教的な標準的理解に照らせば,もはやレイマン(平信徒)ではなく,「牧師」にほかならない。

あるいは「信徒牧師」とでも呼びうる者だからである。

初期韓国教会では,当初から「信徒概念」が宣教師たちによって教育された。

 

査経会(サギョンフェ)

 

聖書(聖経)を調査する会,すなわち文字通りには「聖書研究会・聖書勉強会」の意となるが、厳密には,礼拝以外の「緒集会」や「年1度の信徒大修養会」,あるいは「助事 (ジョサ:信徒として牧師代行的役割を担う者につけた初期韓国教会の役職名)」など牧師に準じる者を教育する一種の神学教育機関に対する名称でもあった。

年に1回開かれる査経会を大査経会といい、1904年の宣教会の報告書には、当時韓国のキリスト者全体の60%が参加したと報告している。

 

コメント:クリスチャンになって何年も経つのに、まだ一度も聖書を全通読したことのないクリスチャンがいます。そのような人は聖書をパッと開けないから、すぐに分かります。

日常的に自ら進んで祈り、聖書を読む個人ディボーションを持っておらず、礼拝や祈祷会でしか聖書を開かないからそうなるのです。

 

そのような人がキリストの体に求めているのは、人との交わりであり、「霊とまこと」をもって主との交わりを求めていないからそうなるのです。

 

当時韓国のクリスチャンの60%が大査経会に参加したとありますが、これだけ多くの信徒がみことばを学んでいたのなら、霊的な質が高まるのは当然といえるでしょう。

 

民族的信頼

 

p-76

 

キリスト教が**日帝支配への最大抵抗勢力となったという事実が,結果的には初期韓国キリスト教「受容」の不可欠かつ必然的な最大要因を形成するに至った。

民族全体の悲願である独立への熱望を,キリスト教が代表しそのための闘争運動を率先したことにより,民族の思いとキリスト教が一体化したのであり,両者はその悲願のために共に一致して闘ったのである。

そしてそのことが,初期韓国キリスト教が韓国の地に受け容れられる最大要因の一となったのである。

「民族的信頼」とは,このことである。

 

**日帝:大日本帝国の略称。1910年(明治43年)に当時の大韓帝国は大日本帝国に併合され、事実上韓国は消滅した。韓国の復興は日本の敗戦の1945年(昭和20年)。

 

コメント:もし、韓国キリスト教が支配者である日帝側に擦り寄っていたら、今日のような広がりを見せたでしょうか?答えるまでもないでしょう。

教会が庶民よりも権力者の側に立つなら、決して教勢はのびるどころか、縮小していきます。

強い者に擦り寄る、権力コンプレックスの強い沖縄人は、自身の弱点に気をつけて圧倒的多数派の弱者の側に歩み寄らなければなりません。

 

民衆の神学

 

p-80

「第5 韓国長老宣教部公会議採択の10条」の1〜4,および6,8条は、民衆を焦点にしている。

 

1,上層階級よりも,労働者階級を対象に伝道するほうがよい。

2,婦女子に対して伝道し,キリスト者の少女への教育に特につとめるべきである。それは,母親こそが次の世代に重要な影響を及ぼすからである。

3・4,キリスト教教育は農村において初等教育の学校を経営することによって,大きい効果をあげうる。農村において,若い人々を訓練することによって,将来の韓国人教役者もここから輩出されるであろう。

6,(聖書を含む)全ての宗教文書は(漢文などの)外国語を全然使わず,純韓国語(すなわちハングル文字)で書かなければない。

8,韓国の大衆は,同じ韓国人同胞によって信仰へと導かれるべきである。従って,われわれ(宣教師)自身が大勢の人に宣教するよりも,少数の韓国人を福音伝道者として徹底的して訓練すべきである。

 

コメント:韓国キリスト教が、下層階級の民衆に焦点を宛てていたのに対し、日本は旧士族らインテリ層で、農村でも地主や豪農、味噌醤油の製造業者や養蚕家など、富裕層で、下層の民衆が主体となって教会を運営し、伝道するような形からおおよそ遠かったのです。

 

p-82-83

 

コメント:ノーベル文学賞と平和賞の候補に上がった日本にも民衆を対象に賀川豊彦(かがわ とよひこ)が大規模な伝道を行いましたが、日本のキリスト教界には受け入れられませんでした。

このことを、常石教授は手厳しく批判しています。クリスチャン人口が1%を超えないこともこれに起因しているとの指摘を、日本のキリスト教界の重鎮(じゅうちん)・指導者は重く受け止めるべきでしょう。

ちなみに賀川豊彦はノーベル文学賞と平和賞の候補に上がりました。

 

「賀川の神の国運動の失敗は,「下層民衆拒否」という開教以来の日本キリスト教の体質を如実に示している。またそのような民衆拒否型日本キリスト教と,1%にも満たない日本キリスト教の惨状は,明らかに連動的であり呼応している。

下層民衆を拒否する教会,それはアジアでは日本だけであると言う。

 

一方にアジアで唯一下層民衆を拒否する傾向の強い日本キリスト教会の事実,他方ではアジア最低のキリスト教人口国・日本という事実,この二つの事実の根に日本キリスト教の病巣が存している。

国民の大多数を占める「民衆」に浸透しない宗教は,「量」的,すなわち受容人口の数の少なさという限界があるばかりではなく,その宗教の「質」においても深刻な問題を宿していると言うべきであろう。

民衆神学はただ単に,過去の韓国キリスト教史の主役が「民衆」であった点を発見するだけの神学ではない。

むしろ民衆神学の本領は,かかる韓国の民衆概念を,普遍的なキリスト教および普遍的な神学にまで高めようとするところにあった。

 

すなわち,本来の聖書とキリスト教の中心的使信はそもそも「民衆」の概念のうちに存していること,従って従来のキリスト教は民衆の概念によって根底的に再解釈されるべきであること,特に中世〜近代の西洋欧米型キリスト教は,資本主義体制と歩調を合わせたため,民衆の側に立つことを忘却し,むしろ民衆を支配する側に立つキリスト教へと変質し堕落してしまった点を鋭く批判し,その神学的回復を要求する。」

 

総括:[上]ですでにキーワードをまとめましたが、「自主」、「自立」、「信徒牧者の育成」、「民衆が主体」が日本の教会の強化と国家・民族の救霊の要(かなめ)です。

 

そして、私なりにキリストの体の改革として

 

カスタマー(お客様)クリスチャンからコ・ワーカー(同労者)クリスチャンへ生まれ変わること

 

トップダウン(お上《かみ》の仰せのとおり)からボトムアップ(下々《しもじも》から)でキリストのからだを建て上げ、伝道すること

 

の要素を実行することにあると思います。

 

私がことあるごとに「これからは信徒の時代」と言っている理由がここにあるからです。

 

(終わり)

 

2014年10月02日 木曜日 配信

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